アベ内科クリニック

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薬物アレルギー(やくぶつあれるぎー)
やけど

海外旅行での健康注意

海外旅行に出かけるとき、ちょっとした不注意で大変な病気にかかることがあります。
旅行前には必ずチェックして下さい。

→海外旅行をする前にチェックしておくと便利なサイト
成田空港検疫所http://www.narita-airport.or.jp/quarantine/

下痢

旅行時の下痢には大きく分けて、
(1)旅行による単純な下痢と
(2)感染性大腸炎
の2つがあると思って下さい。

 

旅行者の単純な下痢とは、疲労・時差・睡眠不足・食べ慣れない食事によるものが大部分です。一言でいえば、旅行中は暴飲暴食をさけることです。つい解放感からアルコールの飲み過ぎ、食べ過ぎで体調を崩す方をよくみかけます。消化剤と下痢止めは必須でしょう。また、ヨーロッパの硬質の水もよく下痢をおこします。ミネラルウォーターのボトルといえども日本人には合わないことがあります。一度沸騰した水でコーヒー・お茶・紅茶を飲まれるのをすすめます。長期間の滞在には小さな魔法瓶を持ってゆき、ホテルでお湯を入れて持参するとよいですよ。

(2)の感染性大腸炎とは各種のバイ菌で大腸炎をおこす場合です。後述するコレラをご参考にして下さい。抗生物質が必要です。

発 熱
無理な旅行日程から扁桃腺や風邪をひかれる方もよくみます。日程分の抗生物質とアスピリンを持っていけば大丈夫!
飛行機酔い
案外、これで初日から体調をこわす人も多いですね。初めて飛行機に乗る人も慣れた人でも気象条件が悪いと飛行機酔いをおこします。トラベルミンの1錠から1/4錠がとても有効ですよ。
コレラ

1995年、バリ島帰りの日本人が200人近くコレラに感染しました。多くは「エルトールオガワ型」という比較的症状の軽いコレラがほとんどでした。米のとぎ汁様の水様便は典型的ですが、ほとんどは軽い下痢のようです。そして不思議なことに日本人ばかりが感染したのです。当時のインドネシア政府はバリ島にはコレラは流行していないと報道された程です。どうしてでしょう? 実際は他の外国の旅行者も感染していたと考えられています。その症状が極めて軽いため帰国してから単なる大腸炎として抗生剤の投与で容易に直っていたと思われます。では日本はどうかといえば、一人でもコレラに感染した患者が発生すれば空港での検疫は極めて厳重に行われますし、日本人旅行者も恐くてすぐ申告してくれるため、多くのコレラ患者が見つかったといえるようです。バリの住民はコレラ菌に免疫を持っていると考えられ、それゆえに当地の住民は発症しないのです。また、日本人は刺身に代表されるような「なまもの」を好んで食べますから、よけいに発症しやすいのでしょう。旅行中の暴飲暴食もそれに拍車をかけます。熱帯地方はとても暑く、つい冷たい飲み物をとりがちです。コレラ菌は胃酸に弱いのですが、ビールや冷たい飲み物を摂りすぎて胃酸が薄まると、コレラ菌は腸で増殖する機会を得て発症しやすくなります。

八鹿でもコレラが一人発生したことをよく覚えておいて下さい。他人事ではないのです。

次のことに注意して下さい。

1) 生水とプールの水

一度沸騰させた水はよいです。プールの水を過って飲み込まないで下さい。ホットコーヒーかホットティーがよいです。缶に入った飲み物やジュースは大丈夫です。ボトルの水は必ずしも安全とはかぎりません。

2) 氷とアイスクリーム

コップのなかの氷は危険です。コレラ菌は氷や冷凍物には強いですから、アイスクリームもちゃんとしたメーカーのものが安全です。

3) くだもの

ナイフで既に切ってある果物は安全とはいえません。ナイフが汚染されているかもしれないからです。

4) 「なまもの」と「生野菜

けっして生の魚、カニ、えび、貝などの水産物を食べてはいけません。生野菜も同様です。ボイルした(一度煮た)海産物や野菜は大丈夫です。

マラリヤ

現在でも世界で驚くべき数の人間がマラリヤで死んでいます。日本人も感染者がいますが、そのほとんどが熱帯地方で感染したものです。日本人も熱帯地方からの帰国後死亡者がでており、けっしておろそかにしてはいけません。日本で発症してもマラリヤ治療に長けた医師は少なく、薬も簡単には手に入らずこのようなことがおきるのです。東南アジアにも多くの日本人が旅行される現在、正しいマラリヤの知識を持っていることはとても大切です。当院にも外国人がマラリヤ予防の薬を求めてよく相談に来られます。さて、マラリヤには4つのタイプがあるのですが、最近はできるかぎり予防内服はしない傾向のようです。しかし、その国が雨期であったり、長期間滞在したり、都市以外でキャンプをしたりするなら予防内服は必要でしょう。現在、5つの内服薬があるのですが、おぼえておくのは次の2つです。ひとつはクロロキンで、これは副作用も少なく一過性の「かゆみ」とか「めまい」程度です。もうひとつはメフロキンです。これは多くのマライヤに対して有効ですが、副作用に注意が必要で頭痛やめまいなど中枢神経症状がありえます。しかし当院を訪れた外国人はメフロキンを好んで飲みます。かれらのハンドブックにそう書いてあるのと、実際、前者のクロロキンに耐性の(効かない)マラリヤが多いからです。とくにアマゾン、カンボジア、ミャンマー、ラオスそしてベトナムではクロロキン耐性のマラリヤがあり、これらの国ではクロロキンが効きません。私が使った限りにおいてはメフロキンで副作用を訴えた方はいませんでした。しかしながら、マラリヤの一番の予防は「蚊」にさされないことです。部屋用や皮膚用の防虫スプレーがよいでしょう。キャンプや宿泊先での「蚊帳(カヤ)」も大切です。


抗マラリヤ薬の飲みかた
メフロキンを滞在期間中に第一日目から週1回1錠のみ内服し、帰国後(これがとても大切でなのですが)週1回1錠を4週間続けます。クロロキンの場合は2錠を同様に内服します。

当院ではこれらの薬を2日以内に手にいれることができますが、予防内服ですので保険の適用はできません。メフロキンで1錠1200円、クロロキンで400円はします。

感染性大腸炎(Οー157)
もう1996年の堺での集団発生で皆さん、知識は充分でしょうね。典型的な症状は血便です。予防はコレラに準じます。そして何よりも手洗いです。食前、トイレ後の手洗いとアルコールの入った消毒剤が有効です。
その他の感染症

一般には病気に広く有効な抗生物質を持参されるのをおすすめします。最新の抗生物質はほとんどの細菌感染に有効で、コレラ、赤痢、腸チフス、尿路感染、扁桃腺炎、気管支炎、外傷などに役に立つでしょう。

また、下痢止めも同時に持っていかれるのがよいでしょう。

これらの感染症はけっして他人事ではありません。やかましいようですが、以上述べたことに注意さえされたら、南国のパラダイスを充分満喫でき、楽しい思い出となるでしょう。