頭 痛

 頭痛を大きく分けると、「あまり心配の入らない頭痛」と、何か病気が隠されている「心配しなければならない頭痛」とに分けられます。

 あまり心配のない頭痛は慢性頭痛、機能性頭痛などと呼ばれている頭痛です。片頭痛、筋収縮性頭痛、心因性の頭痛などがこのグループに入ります。頭痛は、若い女性のに多くみられます。頭痛発生の前に目が見えなくなるとか、目の動きが悪くなる、手足が一時的に麻痺するなどの前兆が出る場合もあります。そのような前兆がなく頭痛が起こる場合もあります。片頭痛の場合は、一定の時間が過ぎると自然に収まりますので、これが目安になります。筋収縮性頭痛は、例えば長距離ドライブをした後に、肩が凝って頭痛がすることがありますが、そういうはっきりした原因がないのに、同じような頭痛が起こることがあります。顔面、頭部、首の筋肉が不必要な緊張を続けるために起こる頭痛です。これが筋収縮性頭痛といわれるものです。じわじわと起こり、だらだら続くタイプの頭痛で、心配は少ないものの、本人にはやっかいな頭痛です。意志に鎮痛剤を処方してもらうとか、筋肉をリラックスさせるためのマッサージなどが効果を示すこともあります。

 心因性の頭痛は、不安やうつ状態が原因で起こります。この場合は、そうしたストレスを取り除くことがまず肝心です。一方の頭痛が隠されている頭痛の場合ですが、その病気としては脳の病気、全身の病気(高血圧症など)、局所の病気(虫歯、縁内障、慢性副鼻腔炎など)があります。ここでは脳の病気を中心に説明させていただきます。

 脳の病気としては、脳腫瘍、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、脳炎、髄膜炎などが考えられます。脳腫瘍では、80%の患者に頭痛がみられます。頭全体や一部が何となく重く感じたり、鈍く感じます。これに対してくも膜下出血は、バットで殴られたような激烈な頭痛が特徴です。嘔吐。けいれんなども伴い、突然に起こります。脳出血や、脳梗塞では、頭痛は突然に始まり徐々に強まります。脳炎や髄膜炎は、それぞれ様々な原因で起こりますが、どんな原因で起こったにせよ持続性のかなり激しい頭痛が伴います。

 脳の病気に原因している場合は、直ちに脳外科手術を行わなければならないケースもあります。いち早く脳神経外科を受診するべきでしょう。また、あまり心配のない頭痛もあると述べましたが、脳に関係しているだけに放っておくのは危険です。病気が隠されているのかどうか、一度は脳神経の平医院を訪れてみてはいかがでしょう。

緊急な治療が必要な脳の病気による頭痛

  ●くも膜下出血  ●脳出血
  ●脳梗塞     ●脳炎
  ●髄膜炎     ●脳膿瘍
  ●脳腫瘍     ●慢性硬膜下血腫