骨粗鬆症
「特に思い当たることもないのに腰が痛く、だんだんと背中が曲がり、病院で骨粗鬆症と診断された。」こんな話を聞いたことはありませんか?
骨粗鬆症は、骨がすかすかでもろくなり、ちょっとした力でも折れやすくなった状態です。症状は様々で人によって違います。外見も変わらず痛みもさほどない人から、背中が曲がったり、ひどい痛みのために歩けない人まで、背が低くなってしまう人もいます。患者の数は全国で1000万人とも言われています。
骨粗鬆症で折れやすい骨は、背骨(脊椎)と大腿骨です。背骨は、ひとつひとつの骨がつぶれて折れやすくなり、腰や背中の痛みを起こします。大腿骨は、頚部と呼ばれる大腿の付け根の曲がっているところが折れやすくなり、ちょっとした段差などでつまずいたりすると折れてしまい、人工の骨(人工骨頭)を使ったりする手術をしなければなりません。
人間の骨の成分は、カルシウム、リンなどの無機質(骨塩)45%、たんぱく質30%、水分25%で、何かの原因で血液中のカルシウムが放出されることにより血液中のカルシウムの量が減ると、骨の中からカルシウムが放出されることにより血液中のカルシウムの濃度が一定に保たれるようになっています。骨のカルシウム量が増えるにつれ、緻密で頑丈な骨がつくられていくのです。そのカルシウムを骨に取り込むのに欠かせないのがビタミンDで、食物中のビタミンDの吸収は体質によって差があることが最近はわかってきました。また、その体質は遺伝すると言われています。
骨粗鬆症の治療は、まず痛みを取ることが最初です。骨折があるときは手術や、患部の固定などにより骨折の治療をしなければなりません。骨折までいたらない場合では、鎮痛剤や湿布のほか、コルセットによる固定も効果があります。しかし最も重要なことは骨折する前に骨塩量の減少を予防することです。閉経期が近づき、カルシウムの豊富な食事をとり、十分な運動をしても、骨塩量の低下がみられ骨粗鬆症の診断がついたら、薬で治療が始まります。
骨粗鬆症の治療薬には、骨からカルシウムが溶けていくのを抑えるエストロゲンやカルシトニンなどの薬と、骨の形成を促す活性型ビタミンD3やビタミンKなどの薬があります。
骨粗鬆症により骨折の起こりやすい部位
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