インフルエンザ

A香港型

 今年はA香港型インフルエンザが大流行しています。A香港型は39度をこえる高熱がでますし、Aソ連型は病気が長引き、B型は足の脱力を伴うといいます。ご存じのようにインフルエンザは細菌(バイ菌)ではなく「ハシカ」や「風疹」のようにウィルス(ビールス)によっておこる感染症です。したがってバイ菌に効く抗生物質もインフルエンザには効果がありません。この点が薬を飲んでもなかなか熱が下がらない患者さんがおられる理由です。かといってほっておけばよいものではありません。弱った体に今度は本当にバイ菌(細菌)に感染(2次感染)して「肺炎」をおこしてしまうことがあります。1918年「スペイン風邪」が世界的に大流行し約2千万人の死者を出したことがあります。

 とにかく、安静にして十分な休養と睡眠、栄養が一番の治療です。薬を飲みながら仕事を無理してはちっともよくなりません。思い切って休んじゃいましょう。学生さんも「インフルエンザ」は伝染病ですから「欠席」にはなりません、安心して休んでよくなおして下さい。

 でも、油断は出来ません。何しろ3種類のインフルエンザウィルスがありますから、1回治っても理屈の上ではあと2回はまた風邪を引くこともあるのです。外出後はよく手を洗い、イソジンガーグルなどでうがいを繰り返しましょう。


 


下痢と嘔吐(胃腸風邪)

 特に子供さんは「脱水」の防止が大事です。温かいスープ、少し塩分を利かせた温かいお粥、人肌にまで温めた「スポーツ飲料(アクエリアス・ポカリスエット)」などがよいでしょう。みかんなどのくだもの、冷たい牛乳・ジュース、消化の悪い肉食などは悪化のもとです。ともかく温かい食品を摂りましょう。大人ではアルコールとくにビールなどはもってのほかです。


熱と座薬について

 風邪を引くと熱が出るのは生体反応です。これによって、バイ菌やウィルスの増殖が抑えられるため、解熱剤はよくないという説もあります。しかし、ではそのまま熱の出るままに放置してよいかといえば、これには賛成できません。長引く高熱は食欲を落とし、悪寒・熱性けいれん・激しい頭痛などを起こし体を弱めるだけです。適時、座薬を使うことは根本的治療ではありませんが、対症的には必要なこともあるのです。なお、子供さんは熱のあるときは嘔吐しやすいので食事・薬の内服はさせず、座薬などで熱を下げ一眠りさせ、のち本人が「お腹がすいた」時に上記の食事と薬を与えて下さい。