アベ内科クリニック

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院長
安部 收

 

最近、「かかりつけ医」という言葉が浸透しつつあります。外国では「家庭医」とも言われ、アベ内科クリニックは開院当初より「総合診療科」を名乗っておりました。これこそが「かかりつけ医」の意味で、「総合診療科」「総合診療科医」といいます。その対極にあるのが「専門医」です。

アベ内科クリニックの主張は常に「総合診療科医」です。人間は臓器の集合体ではなく、精神(脳という臓器)も含めてお互いが協力し合って「一つの個体」を作っていると考えます。個人は英語では「インディビジュアル」つまり「分割出来ないもの」と表現します。ですから、医師は患者さんの全体像を診ないで臓器だけに注目していると、臓器は良くなったとしても、患者さん全体としてはうまくいってないことが多々あります。患者さんの全体像を常に診ながら個々の臓器の問題に対処するのが「当院の役割」です。同時に専門医的知識をも持ってレベルアップした医療を、私はそれを目指す医師でありたいと常に思いますし、実際に私は米国でレジデントとしての資格試験に合格していますが、これこそが「総合診療医」です。

日本では「町医者」と揶揄されることもありますが、米国では「家庭医」になるには「さらにレベルの高い試験」に合格しないといけません。高度な知識を要求され、病院に紹介した入院患者さんの治療に関して病院の医師を教育をする資格も有します。ですから、内科開業医を指して「あそこは〇〇が専門だ」という表現は当院の理念ではありません。どんなことでも一応は対処できるのが、当院でいう「かかりつけ医」です。

一方で専門医はそれはそれで重要な位置づけにあり、もっと高次の医療機関への紹介が必要なら、ためらうことなく専門医に紹介するのも「アベ内科クリニック」の役割です。日本では、「かかりつけ医」と「病院(専門医)」との役割分担がはっきりしていません。一般に先進国では患者さんはまず「かかりつけ医」にかかり、問題があれば、病院に紹介します。一般に病院には紹介状がないと受診できません。米国の大統領でさえ、まず受診するのは「家庭医」なのです。今の大統領がそうするかどうか疑問ではありますが(笑)