地域のお医者さん アベ内科クリニック 総合内科

院内誌「うるおい」

■バックナンバー
>> 第61号~最新号 >> 第51号~第60号 >> 第41号~第50号 >> 第31号~第40号 >> 第21号~第30号 >> 第11号~第20号
>> 第1号~第10号          

第50号 ご挨拶 (2012年・秋)

第50号 ご挨拶(2012年・秋) 外来診察をして思うに、時に患者さんは臓器を個別に考えられることがあります。各臓器が全く別の仕事をし、その具合いを頭で考えます。しかし、各臓器は頭も含めて別々に仕事をしているように見えて、実は一人の人間という個体全体を生かすために足並みをそろえて働いていると思うのです。

あたりまえの事だと言われるでしょうが、我々は各臓器が健康的に働くことを時に妨げる行動をしていることがあります。全ての臓器が自己回復能力を持ち個人全体に対して貢献しよう、健康にしよう、と無口でもがんばっているはずです。

人は便利な世界に自分の力で生きていると勘違いしがちですが、各臓器は実にバランスよく統合的に体を健康にするという目的に向かって、全体のための一部として働いているのです。それに反する行動に対しては各臓器は症状を出して忠告してくれます。だからこそ、我々は体に耳を傾け意識的に体をいたわってやりたいと思いたいのです。

第49号 ご挨拶 (2012年・春)

第48号 ご挨拶 (2012年・冬) 4月から糖尿病の測定結果の表記(数字)が変わっています。本来は、変更前と今回の新しい表記は、1年間は原則として両方とも表記されることになっていますが、当院では早く患者さんに慣れてもらおうという趣旨から新しい表記のみ記載させて戴いております。

古いA1Cの表記は日本のみならず国際的にも,治療上の指標としてよく使用されてきました。一方,我が国で使用されている(JDS)値で表記されたA1C 値は,精度管理や国内での標準化が進んでいるものの,日本以外のほとんどの国で使用されているのは国際標準化された(NGSP)値で表記されたA1C 値になりつつあります。日本の基準は国際基準に比べて約0・4% 低値であるという問題が残っていました。

このような問題を解決するため,日本も国際臨床化学連合が中心となり,国際標準化された新しい表記法を用いたという訳です。しばらくは、新しい表記に慣れるのに時間がかかるでしょうが、今までのA1Cに0・4を加えたものと考えてよく、したがって、コントロール基準は従来の6.5以下が6.9以下になる。おおまかにいえば、7.0%を超えないことが目標と覚えて戴ければよいです。

第48号 新年の御挨拶 (2012年・冬)

第48号 ご挨拶 (2012年・冬) 

新年明けましておめでとうございます。
今年も皆様がご健康でありますように。

さて、今回は「医療における共同作業」についてです。これは患者さんと医師とが共同で病気に立ち向かおうという提案です。驚異的な現代医療の進歩には、医師は絶えず新しい知識を身につける努力が必要です。しかし、どんなに医療が進歩しようと変わらないことがあると思うのです。日々の診療をしていて「病気は医師や薬だけでよくなるのだろうか?」という疑問がいつも私に浮かびます。

インフルエンザの新薬で熱が下がれば何をしてもよいのでしょうか。肺炎でさえ通院で治るからと無理な仕事を続けたり、胃潰瘍が治ってもタバコもコーヒーもアルコールもやめたくない、関節を痛めても再発予防はしない、ガンになって助かっても禁煙しない、糖尿病も脂質代謝異常も薬まかせ等々、あげればキリがありませんね。病気は確かにそれ自体で治療の対象なのですが、生体には「自己回復能力」(免疫力)などの素晴らしい修復能力が備わっていることを現代人は忘れがちです。

インフルエンザも肺炎も薬だけで治っているのではなく、白血球・リンパ球など様々な自己機能の力で治癒するのです。この力を免疫力といいますが、これを損なうこと「過労・不摂生・喫煙・過食等々」をしている限り病気を発症しますし、治るものも治らないし、治っても再発するし、回復は遅れます。ですから、病気になっても「患者さんの協力・自己管理」があってこそ良くなると思うのです。

もちろん、私は全ての病気がそうだとは全く思ってなどいません。避けきれない、不条理にも思えるつらい病気になってしまうことはいくらでもありますから。でも、共同作業も必要な病気があることは知って欲しいのです。

第47号 ご挨拶 (2011年・秋)

第47号 ご挨拶 (2011年・秋) 

今回は「非アルコール性脂肪性肝炎」NASH(ナッシュ)についてお話しします。むずかしい名前ですが、要するにアルコールをあまり飲まない脂肪肝も肝炎を起こすということです。

従来、脂肪肝は良性の可逆性(正常に戻る)の疾患であると考えられてきました。しかし、その一部には肝硬変に進行し、更に肝癌まで進むものがあることが分り、俄然注目を浴びるようになってきました。ナッシュ(NASH)は、中性脂肪を主とする脂肪の蓄積が肝細胞に起こり、飲酒歴がないにもかかわらずアルコール性肝障害と全く同じ肝臓の状態(肝細胞がふくらんでいる)が認められることが大きな特徴です。

更にナッシュの患者さんには肥満や糖尿病・脂質異常症などを背景に持つ人が多く、現在では生活習慣病としてのナッシュの重要性が認識されつつあります。

脂肪肝といえばフォアグラになっていると冗談めいてお話していましたが、放置するとウィルス性肝炎と同じ経過をとり、肝硬変さらには肝癌になりうる病気だと考え直した方がよいのです。ですから肝機能が正常になるように食事や運動を積極的に考え直す必要があります。

第46号 ご挨拶 (2011年・春)

第46号 ご挨拶 (2011年・春) 

最近、患者さんに診察前に「尿の検査」をお願いしますと、診察時に「先生!私どこか悪いのでしょうか?」とご心配される方がおられます。確かに当院では尿検査はあまりしておりませんでした。血尿・膀胱炎症状・検診で尿検査をするのは当然ですし、別の医療機関ではどんな患者さんであれ、まず尿検査するのが当たり前ですが、当院では血液検査結果が診察時に判りますので、あまり尿検査を重視しなかったのです。

しかしながら医学の進歩に伴い最近は「微量尿中アルブミン」を測定できるようになりました。尿中アルブミンは「タンパクのひとつ」です。一般の試験紙による尿検査で尿タンパクが陰性であっても「微量のタンパク(アルブミン)量」を精密に測定することによって、腎臓機能がどの程度なのか診断が可能です。これは特に糖尿病の合併症の一つである腎症の早期発見に役に立つのです。腎不全で血液透析を受けられる患者さんのトップはなんと糖尿病なのです。ですから糖尿病患者さんを対象に三ヶ月に一回「微量尿中アルブミン」を測定いたします。

健康保険も糖尿病しか適用できません。微量尿中アルブミンの高い患者さんはA1Cと血圧のさらなるコントロールが必要です。

第45号 新年の御挨拶 (2011年・冬)

第45号 ご挨拶 (2011年・冬) 

新年明けましておめでとうございます。今年も皆様がご健康でありますように。

今回は「症状」と「病気」について考えてみましょう。皆さんは症状と病気とを混同することがありませんか?例えば「血圧は高いけど症状がある訳ではない」「コレステロールの薬は飲みたくない」「胃の症状がないから胃の検診は受けていない」「糖尿病のコントロールが悪いけど症状はないからね」など。

では症状のないことは良いことでしょうか、症状のない高血圧を放置すれば脳出血などの発症・将来の動脈硬化につながります。多くの高脂血症の方は内服されませんが、レントゲンでは若いのに大動脈の動脈硬化による石灰化を認めます。胃の症状が出る胃がんは既に進行しています。糖尿病で合併症の症状がでれば既に深刻です。つまりは、症状のないことはある意味で病気に対する感覚が鈍麻しているのです。

繊細な人にはよくガンが早く見つかります。したがって、症状は体の異変を語っており「体に気づく」ことも大切なのです。気づかないから検診が必要ですよね。

第44号 ご挨拶 (2010年・夏)

第44号 ご挨拶 (2010年・夏) 

「痛み」ほど人間から意欲・食欲・生きる望みさえなくしてしまうものはありません。その中で誰もが経験するのが「腰痛」です。この痛みも全く動けないものから歩行に差し支える程度まで様々です。

比較的若い人にある「ぎっくり腰」は固い筋肉が急に伸展されて腰筋に軽い亜断裂を起こしたものです。動けない程ですが短期間に軽快しますので、日々ストレッチが予防となります。

高齢者に多いのが「変形性腰椎症」です。これは加齢による腰椎の変形です。仙骨硬膜外ブロックが有効ですが牽引は禁物です。女性に多いのが「骨粗鬆症」による腰椎圧迫骨折があります。この痛みを取るにはどうしても食欲を落とさない程度の鎮痛消炎剤の内服は必要ですし、骨粗鬆症を積極的に改善・予防する薬が欠かせません。閉経したら積極的に骨粗鬆症治療薬の内服をお勧めします。

最近「脊柱管狭窄症」という名前をよく耳にします。原因がなんであれ脊柱管が圧迫され下肢のシビレや痛みで歩行が長続きしないものです。この治療もやっかいですが「開窓術」という圧迫を取る手術も検討のうちです。よくあるのが「椎間板ヘルニア」ですね。二十歳代で二十%、五十歳代で五十%はヘルニアですが、全てが神経を圧迫はしていません。圧迫が強くて下肢の運動神経・知覚神経麻痺があれば積極的治療をされた方がよいです。

最近は手術をしない傾向にありますが、歩行ができない場合に漫然と保存療法をしてもよくはなりません。最近は手術も進歩していますので信用のおける医療機関をお勧めします。

第43号 ご挨拶 (2010年・春)

第43号 ご挨拶 (2010年・春) 

口腔は消化器の一部です。永久歯を残しておくことが「全身疾患」を予防します。そのためには歯周病にならないようにすることです。

口腔内には善・悪玉菌を含め数百種類の細菌がいいます。歯周病は歯茎についた歯垢(プラーク)によって起き、歯垢は細菌の(かたまり)で、この中に歯周病細菌がいます。歯と歯肉の間にある歯周ポケットでこの細菌は繁殖し、歯肉のはれや出血などの症状を引き起こし、歯肉がやせて歯のまわりの骨がとけてきて歯が抜け落ちます。

最近、歯周病が様々な全身疾患と関係あることが判ってきました。血液中の歯周病菌が、その毒素や炎症反応の影響で、心臓の冠動脈などが血栓によって詰まる原因となることがあります。歯周病が進行していると、これらの心疾患になる確立が約三・六倍も高まります。すでに心臓に病気がある場合などは、血液に入り込んだ歯周病菌が、人工弁や心内膜などに歯周病菌が付着して増殖、感染性心内膜炎になることがあります。当院でも同じ患者さんがいます。その他、糖尿病の悪化、早産、肺炎、つまり要介護の高齢者などは誤って唾液を気管に入れてしまうことが少なくなく、歯周病菌などが多く唾液中に含まれていると、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。これは寝たきりの状態の長期化につながります。

以前は歯周病菌が全身に影響を与えるなど考えられませんでした。しかし血管内に歯周病菌が入り込むことを考えると、今後もさまざまな病気に影響を与えることが、明らかになってくる可能性があります。まさに生活習慣病と云われる訳です。単に歯ブラシで歯を磨くだけでなく、歯間ブラシなどを積極的に使って歯垢を落とすことがとても大切です。最近は超音波電動歯ブラシもとても有効です。

第42号 ご挨拶 (2010年・冬)

第42号 ご挨拶 (2010年・冬) 

新年明けましておめでとうございます。今年も皆様がご健康でありますように。

さて、今回もインフルエンザのお話をしましょう。我々が初めて経験している新型インフルエンザの脅威はもうおわかりかと存じます。乳幼児があっという間に脳症で死亡するのです。そして極めて伝染性が強いですね。しかし、鳥由来のインフルエンザが人同士で感染するようになると事態はもっと深刻で死者の数は数十万に達します。ウィルスはこのように変異して何とか人に感染させるように、あたかも頭脳を持っているかのように増殖するのです。感染症はこれからもウィルスとの戦いがつきることはないでしょう。それにしても新型も季節性もワクチン不足になるとは先進国の政府の対応は恥ずかしい限りですね。

正月を過ぎると「季節性のA型インフルエンザ」と「同じA型の新型」とは区別がつかなくなることを留意してください。いずれにしても治療も安静にしておくことも変わりはありません。マスク・うがい・手洗いは基本的な予防法です。また、春先になるとB型が流行します。

当院のインフルエンザ対策はまず、四台の大型の紫外線・オゾン発生装置を稼働させています。一晩で待合室は無菌状態となります。それに加えてプラズマクラスターイオン発生装置が二台ありウィルスは完全に破壊されます。こんな診療所はまずありません。ですから気がつかれると思いますが当院は病院臭くないでしょ。このように当院は院内感染がおきないよう万全の対策をしておりますのでご安心くださいませ。

第41号 ご挨拶 (2009年・夏)

第41号 ご挨拶 (2009年・夏) 

人のインフルエンザに関する限り、豚インフルエンザとか鳥インフルエンザという表現はありません。豚は豚同士、鳥は鳥同士の感染であって、人同士のインフルエンザはあくまで「人インフルエンザ」です。今回は豚のH1N1インフルエンザが変異して人同士で感染可能な「新型インフルエンザ」となったわけです。幸いなことに、この新型インフルエンザは弱毒性であって、且つスペイン風邪と同じ型であったため一九五七年以前に生まれた人の一部には免疫があり、対応する中高年の人には何らかの防御反応性があったのです。

今回の騒動をマスコミは「やりすぎ」「人騒がせ」だとか色々と非難されましたが、私はそうは思いません。一つは、今回のインフルエンザが強毒性になる可能性と、もう一つは東南アジアの鳥インフルエンザが極めて強毒性であって、これが人同士で感染するように変異すれば重大なことであり、日本でも数十万人の死者が出るのです。ですから、今回の各地の処置は鳥由来の新型インフルエンザへの「予行練習」とみなせば良い訓練であり良かったと思います。

この冬に向けての予防接種ワクチンの内容は二種類あり、一つは、豚由来の「新型」ではない通常の季節性ワクチンであり、もう一つは今回の新型インフルエンザ対応のワクチンです。しかし、新型は製造に時間がかかるので、政府は輸入してでも五千三百万人分のワクチンを確保する予定です。このパンフレットが配られる頃にはワクチン接種をどう対応するかが決定しているかもしれませんね。

しかし、インフルエンザの予防はなんといっても「手洗い」と「うがい」です。室内を乾燥させないことも重要です。また「マスク」は必需品であり他人に感染を広げないマナーと考えて下さい。また、インフルエンザに感染したら、薬が処方されたとしても外を出歩かないことです。薬で解熱するとすぐ学校や会社に行く人がいますが大きな誤りであり、解熱しても他人に感染させる状態ですから一週間は休む勇気が是非とも必要です。他人に感染されれば、それが悪循環となり集団感染を抑えることができなくなるのです。みんなでよく注意しましょう。