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院内誌「うるおい」

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第20号 ご挨拶(2002年・9月)

 今年の夏はいががお過ごしでしたでしょうか。これから残暑も続きますのでお体を十分休めてやってください。

 さて、今年の十月には医療保険の大きな改正があります。高齢者の自己負担が一割負担(患者さんによっては二割)の定率負担になると思われます。処方内容の単純な方には大きな差はないかと思いますが、重症の心疾患や不整脈、呼吸器疾患、特別な薬を使用せざるを得ない患者さんにとりましては負担が増加する可能性がございます。当院の基本的方針として薬の使用は最小限にしておりますが、病状によりましてはどうしても薬を減らせない患者さんがおられます。どうか、的確な治療という観点からご理解して戴ければ幸いでございます。

 もう一つ、患者さんからよく聞かれる質問について簡単にお答えします。それは「薬は内服し始めたら一生飲み続けなければならないか」です。これは高血圧・高脂血症・糖尿病などの慢性疾患に限られた質問ですね。確かに薬の効果で血圧・コレステロール・血糖などは改善しますが、これは薬を飲んでいるからなのであり風邪のように三日飲めば治る種類の病気ではありません。薬で単に「数字を低下」させているのではなくて、放置することによって起きる「合併症」を防止している訳です。例えば脳梗塞・心筋梗塞・眼底出血・腎不全など実に多いのです。この合併症をくいとめて初めて「一生が無事に送れる」訳です。

 しかし、患者さんの不安は恐らく薬の「副作用」のことかと思います。このチェックはもちろん医療者側の「責務」です。ですから、当院は開院当初から「管理薬剤師」を配置してメーカーや医師と絶えず薬剤情報交換し安全な薬の選択と患者さんの質問にも的確に答えられるよう努力をしております。どんなことでも結構ですから薬に対して疑問がありましたらお気軽に御尋ねくださいませ。

第19号 ご挨拶 (2002年・5月)

 満十歳の御挨拶

 皆さん、当院は今年の五月で満十歳の誕生日を迎えることができました。無事、当院が今日を迎えることができましたのも、患者さんのご支援の賜物と心から御礼申し上げます。無我夢中で仕事をしていたら、いつの間にか十年も経過したのかというのが実感です。

 内科開業医は別名「かかりつけ医」「ホームドクター」とも称されます。病院専門医との大きな違いは患者さんを臓器別に診ないで「全人的に診る」ことです。

 当院も開院当初から患者さんを全体的に診る「総合診療科」として出発させていただきました。しかし、単なる一般医では患者さんの様々な病気の診断や治療はできません。循環器・消化器・呼吸器などの幅広い専門的知識も必要ですし、手術を要する重症・急患の患者さんも多いのでそれなりの医療機器を充実させています。そして、皮膚・整形・耳鼻咽喉・脳神経などで私の診断・治療範囲を超えたと判断すればためらうことなく専門医に積極的に意見を求めて紹介状を書かせていただくのも当院の特徴です。

 十年間で五千六百通以上の膨大な紹介状を書かせて戴きました。それは診療所間の診診連携・病院との病診連携を重視しているからです。それによって患者さんは安心して「かかりつけ医」を持つことができると確信しています。これは米国の医療では当然のことなのです。大統領でさえ「まず家庭医」に相談するとのことです。日本の保険医療はこれからも大きく変化するのでしょうが、患者さんと医療関係者との関係には本質的になんら変化はないと考えます。

 これからも開院当初の理念を曲げることなくスタッフ一同精進したく存じますので宜しくお願い申し上げます。

第18号 ご挨拶 (2001年・12月)

元旦、明けましておめでとうございます。
今年も皆様がご健康でありますように。

 さて、今年の四月は近年最大級の保険医療改革が行なわれることは皆さん御存知ですよね。改革というよりひょっとしたら「改悪」かも知れません。確かに国家財政が破綻したことは事実ですが、それを患者さんの医療負担の増加で補おうとするのはもう一つ説得性に欠けますよね。確かに医療保険制度には問題点も多いことは事実で、その根本的改革をしないで負担の増加で解決しようとするのはどうなんでしょう? 特に高齢者の方はそれまで日本を支えてきた方々ですからね。

 それはそれとして、患者さんの医療負担は増加するかも知れませんが、当院は必要外の検査はしない方針をとっておりますし薬も出来るだけ少なくする方針でおります。但し、必要な検査に手を抜くと予想外の結果を招く危険性があるのと、病気の内容によっては薬がどうしても減量できない方がおられることをご理解して戴ければ幸いです。また、安価で効力も同じ「コピー薬」の使用も可能ですが、薬によっては特許の問題でコピー薬が発売されていないものもあることも知って戴きたいです。いろんな疑問点がございましたら遠慮なくスタッフあるいは私に御尋ねください。当院は皆様のご意見を傾聴いたします。

でも、時代や社会がどんなに変わろうと医療の根本的原点は変わらないのです。患者さんは人間なのですから詳しい問診と診察に勝るものはありません。パソコンや医療機械がどんなに進歩しようと当院は医療の原点だけは変えまいと思っております。それを新年を迎えての当院の戒めとしたいです。他の医療機関との連携を大切にしながらスタッフ一同、気を引き締めて仕事を行ないたいと存じますので今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

第17号 ご挨拶 (2001年・9月)

 残暑厳しい季節ですが皆さんお元気ですか。今年もインフルエンザ予防接種の申し込みの時期が近づいて来ました。昨年は約四百五十名の皆様に接種し、一昨年と同様に顕著な予防効果があり皆様に喜んで戴きました。

 当院の接種予約を受け付ける対象は、まず当院通院中の患者さんであり私が患者さんの状況を把握していることが条件です。その上でさらに次のような患者さんに是非接種して欲しいと思います。在宅寝たきり患者さん、ご高齢の患者さん、心臓人工弁置換患者さん、重大な心疾患患者さん、すべての慢性肺疾患患者さん(気管支喘息・慢性気管支炎・肺気腫など)、過去に肺炎を起こした患者さん等々です。つまり、インフルエンザに罹患すると容易に肺炎に移行し現在の病気と共に悪化して危険性の多い患者さんが対象です。

ですから、若くて元気な方は予防接種の対象に入りません。ワクチンの本数が無制限にあるわけではありませんし、当院は診察と治療が主目的であり集団予防接種の事業をする訳ではないからね。あくまで通院患者さんへのサービスが前提です。

但し、例外があります。家族の方に在宅寝たきり患者さん等々がおられて自分がインフルエンザにかかるとその患者さんまで巻き込んでしまう人、高校三年生で来年早々大学受験を目指している人などは受け付けます。これらの点を考慮されまして、皆さんこの冬を乗り切りましょう。ワクチンは年々安全性が確立されており副作用は皆無といっていい程です。また、インフルエンザ治療薬も進歩しており内服薬が発売され、昨年はこの薬のお陰で早期に下熱して治癒率が従来と全く比較にならない位に上がりました。

さて、毎回申しておりますが当院通院中の患者さんで胸部レントゲン・胃・便の潜血反応などの検査をされていない方は検診ないしドックを毎年受けておいて下さいね。

第16号 ご挨拶 (2001年・5月)

皆さんがこの「院内誌」を手にされる時は当院が開業して10年目に入った年です。全く時の移り変わりは速いものですね。

さて、今回は3点お話ししましょう。 まず、病診連携と診診連携です。「病診連携」とは病院と診療所との連携のこと、「診診連携」とは診療所同士の連携のことです。当院は既にそれを実行しております。その証拠に私の書いた病院ないし診療所への紹介状は昨年12月末現在で合計4,926件です。1年間に平均574通書き続けていなければなりません。精密検査を必要としたり、入院・手術を必要としたり、内科領域を超える患者さんなどには積極的に紹介状を書いております。これが「かかりつけ医」の本来の役割だからです。当院はこれからもこのような連携を大切にして行きたいと思います。

次に「セカンド・オピニオン」です。これは「第2の意見」のことです。患者さんの中には今まで手術などの治療方針を告げられたとき「それでいいのだろうか?」と迷うことがありませんでしたか?その時に別の医師ならどんな意見を言うだろうかということです。一致すればそれでいいし、違えば選択の余地がある訳です。つまり、治療内容に患者さんの希望を入れるのです。それが新しい時代の医療ですが、当院はその橋渡しのお手伝いをいたしましょう。

もう1つはお願いでもありますが、たとえ当院に通院されておられても、採血だけでなく胃とか便などの検査を含む「検診」とか「ドック」を受けて欲しいということです。高血圧とか糖尿病のように慢性疾患で治療されている患者さんの中にはご自分の病気以外の定期検査をされていない方が時々おられます。もちろん、症状や希望があれば当院でも出来る医療機器はありますが、早期発見の立場から無症状でも検診は受けておいた方がよいですよね。以上、これからも宜しくお願い申し上げます。

第15号 ご挨拶 (2001年・1月)

皆さん、明けましておめでとうございます。今年も皆様がご健康でありますようスタッフ一同、心からお祈り申し上げます。

 さて、今年から二十一世紀となりましたね。新しい世紀といってもいつもと同じお正月でピンときませんが、少なくとも激動と混乱の二十世紀に終わりを告げて新世紀は地球全体にとって「やさしい」世紀でありたいものです。

日本の医療保険も大きな変革を迎え、介護保険も過渡期で混乱しておりますし医療保険でも高齢の皆様の自己負担が大きくなるかと思いますが、当院は必要外の検査や投薬はしないという理念を持っておりますので、この点をご理解戴ければ幸いです。

IT(アイティー)革命とかいって時代は良かれ悪しかれ情報社会の渦に巻きこまれています。私自身は多少情報過多で「やすらぎ」の欠ける社会のような気がしますが時代の流れがそうなっているんでしょう。既に御存知のように当院のホームページも昨年九月から大きく変更しております。当院独自のドット・ネットのドメインを有し、その中では診察の「仮想体験」として最新のリアルプレイヤにより「診療の流れ」をビデオを見ることができますし医療情報や健康相談のコーナーも豊富です。さらにはメイルアドレスを登録して戴ければ季節に応じた医療・健康情報をメイルで送付することもできます。興味のある方は是非アクセスしてみてください。

しかし、我々は何といっても生身の体ですので、どんなに時代が進歩?しても直接の診察に勝るものはありませんね。当院はそれらのバランスをとりながらスタッフ一同よい医療の提供に尽くしたいと存じますので「二十一世紀」も宜しくお願い申し上げます。

第14号 ご挨拶 (2000年・9月)

今年の夏は特に暑かったですが疲れは残っていませんか。
さて、当院も開院満8年と3ケ月を経過し少し「まとめ」をしたいと思います。

当院の特徴は「総合診療科」ということです。つまり「臓器」にかたよった特殊な診療科ではなく、どのような患者さんが来られても、それなりに検査、診断さらに治療ができることでしょう。

そのためにはそれに対応できる検査機器が必要です。当院では血液検査結果が特殊なものを除けば診察時間中にわかりますから、コレステロール・血糖・肝機能はもちろん、肺炎などの重症度、「盲腸」などの手術の必要性などの診断が即日に出来ます。したがって「今、入院すべきか」の判断が出来るのです。

胸部や胃のレントゲンの現像機は最新の高速なもの、胃カメラは最新の「電子内視鏡」、エコーは心臓も腹部も「血流診断」が可能です。24時間心電図記録のコンピュータ解析が約30分でできますから不整脈・狭心症の診断が後回しになりません。これらによって今までに「ガン」は247例みつかりましたが、これはかなりの発見率です。その他、高血圧症 1340例、糖尿病529例、高脂血症1533例、心疾患1082例など様々の疾患に対応しています。

もう一つとても大切なことがあります。それは当院と「他の医療機関との連携が密」であることです。入院や精密検査が必要なら公的病院にすぐ連絡し対処します。また、私は患者さんの意思を尊重しますので、皮膚・耳・鼻・眼・整形などの専門性を特に要求される診療科は他の「医院」であってもご紹介することをためらいません。さらに在宅患者さんには「南但訪問看護センター」や「老人保健施設」との連携をすることによって、患者さんの病状の変化に対応できるようにしています。

最後に当院は「情報メディア」には最新のものを使用しています。当院のインターネットのホームページは平成8年に開設し今年の9月からは装いを新たにして「当院独自のドット・ネット」を入手しましたので詳細は裏表紙をご参照下さい。

第13号 ご挨拶 (2000年・5月)

この院内誌が発行されている頃には介護保険は既にスタートしています。介護保険該当患者さんやご家族はケアプランの作成をして戴きましたか? また、それが充分実行できているでしょうか? むずかしいところでしょうね。何しろ、ヘルパーさんも訪問看護婦さんも理学療法士も少ないのが現状ですから・・・。
 当院では従来から「南但訪問看護センター」と提携しており当院から「訪問看護指示書」を発行し、それに基づいて訪問看護をして戴いてきました。この連携ですと老人保健施設(老健)や八鹿病院との連絡が密ですから比較的スムーズな介護や入所、入院が出来ていたと思います。
 介護保険が始まっても、とりあえずはこのパターンを大きく変えることなくケアプラン作成を訪問看護センターに任せて、現状の介護をそのまま移行されたらどうでしょう。そうすればあわてることなく、且つまた比較的利用負担が少なくて実行できると思います。そして三カ月程度続けてみられて見直しをされたらよいと思います。三カ月もすれば介護保険制度も曲がりなりにも安定し、出来ることと出来ないこととが明確になります。

 介護認定度も三カ月から六カ月で見直し作業をするのがよいのです。病状が悪化して介護負担が大きくなりましたら、ご遠慮なく当院にご相談下さい。主治医の意見書を再作成し介護認定度の見直しをさせて戴きます。また、この場合でもとりあえずは介護サービスを増やしておいても支障ありません。介護度の再認定は事後処理でも問題はないのです。介護認定度がどうであれ、今、必要な介護は先行して受けてよいことになっていますから安心して下さい。

【大腸癌】

大腸は、小腸の末端につながる盲腸からはじまって、結腸、直腸、肛門に至るまでの長さ約180センチにおよぶ腸管の総称です。大きな意味でいえば、この範囲にできた癌はすべて大腸癌といいますが、直腸癌、肛門の癌は、大腸癌とは区別して呼ぶこともあります。ここでは、直腸癌と肛門の癌は除外して解説します。
虫垂も結腸の一部ですので、ここでいう大腸癌は結腸癌とイコールということになります。
最近は食事の欧米化などに伴って大腸癌が急増しています。大腸癌は50歳以上の高齢の人に多くみられます。胃癌に比べると、患者層が少し高齢に偏っています。大腸癌は、早期に発見すると比較的簡単に治療が行えるので、治りやすい癌と言えます。ですから早期発見が何よりも大事なことになります。
 症状は、便に血液が混じっていることから発見されることが最も多くなっています。これに次いで多いのが、便秘、腹痛、下痢などです。これらの症状に気付いたら、是非一度病院などで検査を受けられるのがよいでしょう。
 しかし現実には、これらの症状を知りつつも70パーセント以上の人が3ヵ月以上放置しているということが、ある調査でわかっています。
 癌が大きくなり腸管をふさいで狭くしてしまうと、腹部が張り、腹痛がおこったりします。さらに進行すると、貧血や全身衰弱が見られるようになります。こうした段階になると、もう簡単に治すことはできない状態になってしまいます。
 最近では、人間ドッグで大腸の内視鏡検査を行うところも多くなってきました。大腸ファイバースコープで検査すると、排便時に出血のある人では、約2%に大腸癌が発見され、約20%にポリープが発見されるといわれています。ポリープは良性の癌なのですが、放っておくと一部は癌になる恐れがあるとされています。大腸ファイバースコープで検査した場合、ポリープを発見したらその場でポリープを切除します。これをポリペクトミーと呼んでいます。ここまで検査を行えば、数年は安心して過ごすことができます。何年かに1回は人間ドッグなどで、大腸ファイバースコープ検査等を受けられるのが賢明かと思われます。

大腸癌の予防には

(1)高脂肪、低繊維の食事が大腸癌の原因になりやすいので、脂肪を多くとらず、繊維分の多い野菜などを多く取るようにする。
(2)バランスのよい食事をとる
(3)便秘をしない規則正しい食生活をし、排便習慣を作る。

第12号 ご挨拶 (2000年・1月)

 西暦2000年元旦、明けましておめでとうございます。今年も皆様がご健康でありますよ うに。正確には21世紀は2001年からのようですが、細かな理屈はともかくも今年は西暦では記念すべき1000年紀(ミレニアム)を迎える画期的な年なのです。こんなことは1000年に一度し かないことなんですから、このような記念すべき正月を皆様と迎えることができることを共に喜びましょう。
   と、一人で「はしゃいで」おりますが、医療の面から申しますと、これまた大変革の年でもあり ます。ついに4月から介護保険がスタートするからです。それにしても政府の対応はあっちに揺れこっちに揺れ困ったものです。次々と介護認定度の判定は進んでおりますが、利用料が不明瞭 ですし御家族にお金を出すのやら出さないのやら。皆さんは介護認定度が上がれば良いとお考えの方もおられるかもしれませんが、介護認定度が上がればそれだけサービス内容は充実するこ とになるはずですが、まず一割自己負担が自動的に上がります。施設入所の方は介護度に応じ た最高介護料が給付されますので自己負担も大きい訳です。在宅の方は介護度が上がっても、 御家族がこれだけのサービスでよいとおっしゃれば利用負担はそれに応じて低く押さえることも できます。ここは介護支援専門員(ケアマネージャー)との相談です。ここのところをよく話し合っ てきめましょう。盛り沢山のメニューを作っても、ヘルパーさんや支援事業者が対応できなければ 「消化不良」に陥ってしまいます。また,都会と異なり支援事業者も少なく選択の余地が少ないの も困ったものです。当院としましては介護サービスの運用が円滑に行なわれますようご相談に乗 りますので御気軽に声をかけてください。

【肺結核】

肺結核は今、「再興感染症」という呼び名をつけられて、高齢者を中心に再流行の兆しが出始めています。再興という意味は、戦前、戦後などに猛威をふるった感染症で、その後予防接種の普及などで、かなり下火になっていたのに、最近いろいろな理由により、再び大流行の兆しがあるという意味です。世界保健機関(WHO)も肺結核を軽視するのは間違いだ、という警告を発しています。

日本では、2030年までに結核を撲滅する計画を立てていましたが、最近では患者数の減り方が鈍っており、1996年には、まだ4万2472人の結核患者が発生し、年間死者数も約3000人に昇ります。

日本では新たな肺結核患者の過半数は60歳以上の高齢者です。高齢者が結核に感染した場合、体力が落ちていることから、合併症が発生したり、また重症化する恐れも高いといわれています。

高齢者がかかりやすい一方で、若年者での結核の集団発生もみられるようになってきました。1997年には10件の結核の集団発生が報告されています。

厚生省でも、こうした結核の再燃には注意を払っており、1986年から結核対策特別促進事業を実施しました。その中では、WHOが提唱したDOTSの試行・推進をはかるとしています。DOTSは「短期化学療法による直接監視下治療」という治療法です。この方法によると医師、看護婦などの監視下で患者を完全に治癒まで持っていけると考えられています。

では、肺結核の症状はどのようなものでしょうか。昔の人なら覚えていることも多いと思いますが、戦後生まれの人には今一つ分からないというのが実情ではないでしょうか。結核菌が肺に感染しても、はじめはほとんど症状が出ません。病気が進行してくると、初めて症状がいろいろ出てきます。

咳とたん:最も起こりやすい症状です。咳はそうひどくありませんが、喉頭や気管支に結核が起こった場合は、激しい咳になります。たんは白いのですが、結核菌以外の細菌が同時に感染することも多く、その場合たんの色もいろいろ変わります。
発熱:ふつうは37℃程度の微熱ですが、寝汗をかくようなこともあります。肺に感染した結核菌が血液で運ばれ他の臓器に感染した場合、粟粒結核といいますが、この場合は高熱が出ます。
その他:全身のだるさ、体重減少も、重要な症状です。

上記のような症状が特に高齢者に出たら、結核を疑って診察を受けさせるべきでしよう。

第11号 ご挨拶 (1999年・9月)

介護保険第2弾。この院内誌が発行されている頃は要介護認定作業が開始されていることでしょう。他人事ではありません、小生もその認定委員だからです。さて、まず介護保険のサービスを利用したい方は各市町村窓口での手続きが必要です。手続きの仕方や介護サービスのことなど何でも当院でご相談ください。申請が受けつけられましたら、要介護認定がはじまります。要介護認定は、市町村によって行われる「訪問調査」の結果と、かかりつけ医が作成する「意見書」をもとに行われます。医師は、この「意見書」を作成するという重要な役割を担っています。申請から約三十日後、要介護認定の結果が通知されます。自分の要介護に合った介護サービスを受けるために、かかりつけ医にアドバイスをしてもらいましょう。当院には介護支援専門員が二名おりますので、ケアプランの立て方、在宅サービス・施設サービスの選択、介護サービスの選び方などのご相談にきっとお役に立てれることでしょう。介護サービスを受けているときでも、かかりつけ医は利用者のお身体の具合について継続して支援・アドバイスを行います。ケアプラン内容の見直しは必ず行われることになっておりますし、介護サービスの内容・方法などについて、医師の立場からサービス事業者に適切な指示をいたします。介護保険が始まっても当院で現在行なっている「寝たきり患者さん」への対応は今まで通り行なえますので安心して下さい。さらに「訪問看護」や医師と当院薬剤師が家庭を訪問して療養上の指導を行なう「居宅療養管理指導」が可能です。次回は第三弾です。