慢性閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患というのは、一般の方にはなじみにくい病名だと思いますが、これに含まれる病気の名前を聞くと、「それなら知っている」と思われるかも知れません。(1)慢性気管支炎、(2)肺気腫(3)びまん性汎細気管支炎を包括したのが、慢性閉塞性肺疾患と呼ばれる病名なのです。慢性気管支炎、肺気腫、びまん性汎細気管支炎以外に、内因性喘息を含めて、慢性閉塞性肺疾患と呼ぶこともあります。では、なぜこれらの病気が、慢性閉塞性肺疾患と呼ばれるのでしょうか。この三疾患には、共通した特色がいくつか知られているからです。1.気道が広範にかつび漫性に狭窄している、2.気流の閉塞性障害が起こっている、等があげられています。しかし、上にあげたような障害も病気によって、起こり方が違ってきます。慢性気管支炎では、気管支、細気管支壁で慢性炎症が起きていたり、気道内腔へ分泌液が貯まることなどが原因となります。肺気腫では、末梢気道の肺胞が破壊するため気流の閉塞性障害が起こります。また喘息では、気管支収縮、気管壁の炎症、過剰な分泌液などのために閉塞性障害が起こります。
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