糖尿病

 様々な薬剤や検査法の発達などにより、糖尿病患者は、一昔前に比べて、長生きする患者が大幅に増えるようになりました。このため、最近の糖尿病研究者の間では、単に長生きをさせるだけでなく、患者のQOL(生活の質)を高めようにしなければならないということがいわれ始めました。生活の質を高めるという意味は、糖尿病につきものの網膜症、腎症、神経障害などの合併症を起こさせないようにして、患者が生活上の不便さを感じさせないようにしつつ長生きをさせるという意味です。

 最近の厚生省の研究では、40歳以上の薬10%が糖尿病と診断されています。そして病気の期間が長引くにつれて合併症をもつ糖尿病患者の比率もどんどん高くなっているという憂うべき状況もわかってきています。

 従来の糖尿病治療では、まず糖尿病そのものの治療、つまり血糖値のコントロールを行うということでしたが、さいでは、血糖値のコントロールと同時に合併症の予防的処置も始めるというように変わってきています。

 糖尿病の合併症の予防として最近特に注目されているのが、高血圧管理や高脂血症の管理です。これらの身体全体に及ぶ健康状態の良好な管理をすることが、網膜症、腎症、神経障害などの三大合併症といわれる病気を発症させることを防ぐ効果があるといわれています。

 糖尿病の治療では、食事療法と運動療法が基本となり、その上で必要があれば、インスリンや血糖降下剤の薬剤療法を行います。その中でも大事なのは食事療法ですが、糖尿病の食事療法は誤解されることがあるのですが、制限食ではないということです。自分の体にあった食事するということで、標準体重、年齢、性別、1日の活動量などを参考にして、1日に必要なカロリーを計算して、そのカロリーにあった食事をするということです。そしてただカロリーだけが合えばいいというのではなくて、必要な栄養素をバランスよくとるようにしなければなりません。

 ですから糖尿病の食事療法をするには、専門の栄養士、医師などと十分に相談した上で決めなければいけないのです。


糖尿病にかかりやすい人(危険因子)

●家族に糖尿病にかかった人がいる
●肥満(標準体重より20%以上)
●40歳以上
●高血圧、高脂血症といわれた人