メニエール病

なんら誘引もなく、めまいに耳鳴、難聴などの症状が表れ、これらの症状が反復するのがメニエール病です。以前は、脳卒中によるものと考えられていたこともありました。
この病気は、難病であるということから厚生省の「特定疾患」というグルーブに入れられ、研究が積極的に行われてきました。その研究班が最近まとめた診断の基準によるとつぎのようなことになります。
めまいは、発作性回転生で、初期には低音性難病となり、耳鳴、難聴を消長する、となっています。つまりめまいが突然に起きて、ぐるぐる回るようなめまいだということです。難聴は、低音域の方が聞こえにくくなる難聴だということです。そしてその難聴が消えたり長引いたりするというわけです。
メニエール病は難病にも指定されているくらいですから、それほど多く起こる病気ではありません。患者は、男性がやや多く、30〜40歳代の人が多いといわれていますが、子供にも起こることがあります。神経質な人とか自律神経が不安定な人に起こりやすい傾向もあるようです。メニエール病の場合は、専門の医療機関で治療する必要がありますが、メニエール病と紛らわしい病気がいろいろありますので、耳鼻咽喉科でしっかりと診断をつけてもらわなければなりません。
メニエール病と紛らわしい疾患は、最初に示した脳卒中なども代表的なものです。他のもいろいろな紛らわしい病気については表に示しておきます。メニエール病だったのに、これらの病気と思って治療を受けていたら大変なことになりますし、逆にメニエール病でなく、これらの紛らわしい疾患なのに、メニエール病と思って治療を受けたりしても大変なわけです。
この表に示した病気の中では、一つの病気を除いてすべてが耳鼻咽喉科に行けばすむわけです。脳血管障害の場合のみ、他の科目を受診しなければなりません。
そこで、大事な見分け方としては、脳血管障害つまり脳卒中の時は、めまい発作時に神経症状がでるということです。ものが何重にも見える複視、意識障害、運動障害、知覚障害などです。このことを知っておけば、初期の対応の助けになると思われます。